パラレルワールド・ラブストーリー
図書館に行ってなくて最近本を読んでなかったのですが、久しぶりに読んだのがこれ。
人から借りたんですが、なかなか読めなくて危うく借りパクするところでした(^^;)
カバーも付けたままだったのでこんな表紙だったことも今さっき知りました(笑)
親友と同じ女性を好きになってしまった主人公の記憶と実際の過去との食い違いから
思わぬ方向に話が進んでいくのですが、読んでいるうちに小さい頃に
姉と同じ物が欲しくて、でもどっちも譲らなくて喧嘩になった時の事を思い出しました。
どちらかが手を引いて相手に譲るか、どちらも諦めて無かった事にするか。
そのふたつの選択肢からは選べないからこの本の真似事をするなんて事は
現実世界ではありえないけど、フィクションだと分かってても怖い。
東野さんの作品は隅々まで計算されている緻密な作品が多いのですが、
それと同時にいつも感心してしまうのが感情や心境の描写の細やかさ。
理由の追求や分析がなされていて、言葉にするのは難しいような気持ちの動きまで
きちんと説得力のある文脈で書かれているんですよね。
物語が終わりに差し掛かった辺りで「記憶は時には人を縛るものなんだよ。
今、僕を苦しめているのは記憶なんだ。それを取り除いてほしい」というセリフが出てくるんですが、
その言葉が自分にも当てはまるような気がして、ずきっとした。
この本を読むと、実際の過去よりも自分の記憶に苦しめられてるんじゃないか?という気がしてしまう。
読み始めたら止まらなくなって、分厚かったのに4日ほどで読破しちゃいました。
気が向いたらまた図書館に行こうかな。
by pochi-17
| 2009-02-24 23:46
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